バニラティー


出会いは地下の喫茶店
別れは一通のメール
覚 えているのはバニラのにおい
記憶にない紅茶の味

最近行かなくなった本屋
雨 漏りが直っていたアーケード
君のことばかり気にしていて
全部見えていなかったんだ

世界が今突然叫びだして
僕 の名前を突きつけてくる
風に折れそうな木は
六年も傾いたままだったなんて

出会った地下の喫茶店
一人だと 広すぎるテーブル
今日初めて僕は
バニラティーの 味を知った