僕とその向こう
僕は見ていたから
いつも見ていたから
運動場の向こう 君の家
白いアパートの五階 その窓に
いつも映ってい
た
揺れる茶色い髪
みんなは待っていないけど
僕は待っている
逃げ出せる君が
うらやましいから
け
れど君はこちらを見て
いつも疲れた顔で
幼い僕らには 世界が狭すぎるけど
いつかきっと 抜け出せるから
等
しい線は 常には引けないけれど
君の望むものは その先にあるかもしれない
僕は見ているけれど
明日は見ないかもし
れない