星のゆれる港


二人は二人の間に
見えない鎖ぶらさげて
幼くて でも 膨らんでいく
永遠への願い抱きしめていた

歩き回れ る距離は
海岸線に阻まれて
秘密を背負ったままの
二人には短すぎた

あの大風が雲吹き飛ばし
星が 波間に顔見せたなら
父か兄の船を借りて
穢れを洗う旅に出る

二人は二人の間の
つないで手離さぬまま
夢 の中で明日を誓う
星のゆれる港の片隅