ペンギン


受話器の向こうで
泣く君の声と
慰める誰かの声
交錯していたよ
一体これ以上
何を伝えたいんだ

大 事に育てていても
君が帰ってこなければ
愛の卵は
凍えてしまうんだ

翼をはばたかすことなく
暗い 海に飛び込んでしまう
闇雲に泳いでも
出口は見付からない
短い手足は空回り
孤独よりも孤独な孤独

急 いで涙を乾かすんだ
君はもう太陽の下だから
深いところから
ただ見上げている