最後の雪
淡い期待は粉と散った
離れた車両は異なる行き先で
擦れ違うしか出会いようがない
白い息が漂う中
この冬
最後の雪が舞い始める
二人にとって永遠を合図するもの
すぐに吸い込まれて
姿を留めることもできない
本当
に白かったのかい
そう 二人にもあった
地面に足を付けるまでだけの
短すぎる純粋と錯誤
荒い言葉で別れを
告げた
いままでで一番大きく手を振る
擦れ違うことすらあるのだろうか
雨へと変わっていく
春が全てを塗り替え始め
たら
二人にとって全てが思い出になる