浴衣
僕らの故郷には 夏が少ないから
君の浴衣は 本当に罪だった
僕らの故郷には
星が多いから
君の浴衣は まばゆく照らされていた
夏が終わる頃 僕は思い切って
君にそっと 別れを告げたんだ
僕
らの故郷には 時間がとどまるから
君の浴衣は まるで昨日の事
また夏が来て また会えた時
二人の涙は 沢を下って
また来た夏の 永遠の中で
再び二人は 別れの準備を
僕らの故郷には 残酷な静寂がある
君の浴衣
は 優しい罪だった